Message_Dearyou_ParaNoir.txt
かつて少女は、ある少年に恋をした。……しかし日陰の少女に花を咲かせる力はなく、儚く枯れてしまった。
もう一つの記憶、虚妄の世界。そこでも少女と少年は一緒だったが、幻想は一瞬。時の狭間で滅びることとなっていた。
あれから幾多もの月日が流れ……少女は現実と幻想の境目にまた形を成していた。
綴るのは追慕の想い、こだまするは魔女の囁き……
少女が再度人の道を外れることは誰が知ったことか。いや、その時には既に「戻れなくなっていた」か。
禁忌の魔術、代償は贄──。
少女は、契約と想念により少年を「喚び出した」。
が、その姿はとてもあの時の少年とは程遠い、崩れた姿……
少女は涙し、けれども逢えた「彼」の姿に陶酔する。
それが新たな業と悲劇を呼ぶとも知らずに……